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部会長挨拶(令和元年度~令和2年度)

有機結晶部会は有機分子の集合体である「有機結晶」をキーワードに、その構造・機能・物質変換など様々な角度から研究する研究者の集まりです。日本化学会の第5番目の部会として1997年に発足し、既に20年以上の歴史があります。部会活動としては、春の日本化学会年会では「有機結晶」部門を運営し、秋には有機結晶シンポジウムを主催しています。シンポジウム前日には、最新の結晶構造解析のノウハウや計算科学の活用法、さらには年配研究者の経験談を聞くなどのプレシンポジウムを無料開催し、学生さんや研究者が交流する場も提供しています。また、部会員の情報誌であるニュースレターを年2回発行しています。

ところで、皆様は、有機結晶と聞いて、何を思い浮べられるでしょうか?有機化合物構造決定のための単結晶、パスツールの酒石酸結晶のピンセットによる光学分割、あるいは痛風の原因の尿酸結晶など様々でしょうが、結晶は固くて安定なイメージではないでしょうか? 近年の研究から有機結晶は、多様な外部刺激に応じて壊れずに曲がったり、時には、飛び跳ねたり、また、擦ると色が変わったりします。有機物であるがゆえの柔軟性や多様性から非常に面白い研究成果が次々に報告され、ホット話題となっています。有機結晶には、まだまだ沢山の可能性が隠れている研究対象だと実感します。

このように、有機結晶から液晶そして非晶質におよぶ広範な有機物の凝集体について、構造・合成・物性・機能・計測・理論など学際領域の特長を活かした研究会活動を行っています。世界的に見ても有機結晶を専門とした研究会はなく、これら有機結晶の研究が日本のお家芸と云われる日も遠くないと思います。まずは、部会活動にご参加いただきき、我々の部会の魅力を知っていただければと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

令和元年-2年度部会長
赤染 元浩 (千葉大院工)

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