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部会長挨拶(2023年度~2024年度)

有機結晶部会は、有機分子の集合体である「有機結晶」を中核的なキーワードに据え、その構造・機能・物質変換など様々な角度から研究する研究者の集まりです。日本化学会の5番目の部会として1997年に発足し、既に25年以上の歴史があります。日本化学会春季年会では、新たに「有機結晶・超分子化学部門」としてこれまでの有機結晶の垣根を超えた液晶、非晶質、超分子などを含む集合体の化学における研究領域で研究発表および討論が行われています。秋には、有機結晶部会の発足当時から継続して開催されている有機結晶シンポジウムを開催し、参加者全員が1会場に集まり、研究発表および討論が行われています。ポスター発表に先立ち、ショートプレゼンテーションを行っているのが、このシンポジウムの特徴の一つです。また、2015年からはシンポジウムに合わせてプレシンポジウムを開催し、新しく有機結晶の研究を始める学生や研究者にもわかるように、有機結晶に関わるチュートリアル講演を開催し、好評を得ています。プレシンポジウムでは、交流会も開催され、若手研究者の交流の場にもなっています。部会員には、年3回のニュースレターを発行し、論文紹介、ショートレビュー、研究室便り、学会報告などの情報を電子版で提供しています。

有機結晶の研究では医薬品となる物質の結晶成長からあらゆる機能の固体物性まで幅広い研究領域ですが、固体中の分子の立体構造や配列をX線構造解析から明らかにできる点が有機結晶の強みです。結晶は硬くて脆いという印象がありますが、近年では熱や光で自在に曲げることのできる結晶や突っつくと変形する結晶なども見つかってきています。また、発光性の固体材料にもたくさんのおもしろさがあり、凝集すると発光する材料や結晶と非晶質で発光特性の変わる材料などがあります。有機分子の構造を制御し、有機固体材料の物性を思いのままに操ることができるということが有機結晶研究者の夢と研究の醍醐味であると思っています。

このように、有機結晶部会では様々な形態を有する有機物の凝集体を対象に、構造・合成・物性・機能・計測・理論など学際領域の特長を活かして部会の活動を行っています。広い意味での「有機結晶」に関心をお持ちの学生や研究者の皆様には、有機結晶部会に是非入会され、研究交流の場として積極的に活用していただきたく、お願い申し上げます。

2023年度~2024年度部会長
小畠 誠也(阪公大院工)

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